『デザインの伝え方』を読みました
こちらの本を自社のデザイナーが読むと言ってたので自分も読んでみました。
概要
デザインという業務の特徴として、基本的に誰でも意見が言えるというのがあります。デザインを勉強したことない人でも『自分的にはこっちが良いかなぁ』みたいに。。しかしそれは感覚的なもので優劣つけられないために議論百出で悲惨な結果に陥ります。そして、結局はコミュニケーションが上手な人が勝つ。。
そのような背景があるので、デザイナーがどんなに良いデザインを出しても、最良のアイデアが勝つとは限らないのが現状です。そこで優秀なデザイナーを目指す上でコミュニケーションスキルというのが大事になってきます。
目的
今回、本書を以って達成したい目的は『同意を得ること』です。
その相手は、社長だったり取引先だったりエンジニアだったりします。
戦略
目的を達成するために、デザインを提案する上で大事な3つのポイントがあります。
- 問題を解決すること
どんな問題を解決できるかをしっかり説明します。デザイナーには、加える変更・新規に追加する要素・必要な調整について、ひとつ残らず意識化する習慣が重要です。
- ユーザーにとって使い勝手が良い
デザイナーがユーザーを代表して伝える必要があります。逐一「これはユーザーにどう影響するだろうか?」と自問しながらデザインします。
- 全員の支持を得る
賛同を得るために効果を明示します。自分が選んだデザインが他の案より優れている理由を意識的に把握しておくことで、議論でも必要な意見が言えます。
戦術
ここはかなり各論です。
- 相手の立場(肩書き)を考慮したコミュニケーション
- 良好な関係の築き方
- 傾聴の仕方や言葉遣い
- 比較や代替案をうまく使う
といった、現場で活用できそうなTipsが様々な観点で書かれていました。CEOやプロダクトオーナーと、具体的にどう渡り合っていけばいいか分からないという方には参考になりそうです。
非デザイナーへ
最後には非デザイナーがデザイナーと関わる上で注意すべき点が書かれています。「デザイナーはデザインのプロ」と認識すべきだとか、デザイナーと連携して成果を上げるための10の秘訣があります。
自社の場合
現状の課題として2つあると考えています。
議論が非常に長期化することがある
このため、初期の設計段階からスケジュールが遅延していきます。要因は色々ありますが、よく論点があちこち飛んだりします。工程の最後の方でひっくり返ることもあります。
全員が納得していない状態で決定される時がある
これは納得していないのがデザイナーの場合もあります。基準がない、もしくは人によって異なるために起きていると思います。
活かせそうなところ
デザイナー
上記の戦略を中心に、以下のスキルを上げていくことができそうです。
全てに意図を込めて、説明できること
- 論点の軸ができるので建設的な議論が可能。長期化しにくい。
- 感覚的な話になると正解がないのでいつまでも決まらない
ユーザーを代表して語れること
- プロダクトに関わる中で誰よりもユーザーの動き・心理を理解すべき
非デザイナー
上記の『10の秘訣』からの抜粋です。特に自社で必要な考え方です。
- 「好き嫌い」ではなく「デザインの有効性」に焦点を当てる
- 問題の提示は良いが解決法の提案はしない
- 「自分もユーザー」という考えは捨てる
- デザイナーに決定権を委ねる
- データの有無を尋ねる
さいごに
自社のサービスはUIを高く評価いただくことがとても多くあります。
実際、よく出来てると思うし強みの一つなのですが、その裏側でデザインを作る過程に関してまだまだ改善したいことがあります。
シンプルだとか施設の魅力を引き出すといったベースとなる考え方を活かしてさらに良くしていきたいと考えてます。
こんなプロダクトと日本の魅力を、世界へ一緒に拡げていくデザイナー募集中です!!